読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いけやんブログ

ロシアネタ、日々の雑感、読書感想文など。

日曜日が待ち遠しい理由

8/22(月)にブログを再開させてから6日が経過しようとしている。

 

①1日1回アウトプットしていく

という誓約を自分に課してから、すでに3回分の投稿(今日の投稿予定分も含め)が溜まっているので、有言実行・初志貫徹の言葉の重みを感じています。

 

アウトプットは苦しい。けど快感だ。

 

今日は

『新聞の書評欄の効用について』

 

私には17歳の時から続けている、ある習慣があります。それは毎週日曜の朝刊に入っている新聞の書評欄を読んでそのページをストックしておくことです。大学2回生の夏~4回生の冬に京都で下宿していた期間を除き(それでも帰省時には捨てられていない日曜の新聞をかかさずストックしていた)、現在に至るまで続けている習慣のひとつです。具体的にどのような効用があるか書き出してみます。

 

①どんな本が世に出ているのかわかる(最新本や既刊本含め)

②思わぬ本との出会いがたまにある

③同じ書評者の書評を読み続けるうちにその人の関心の範囲がわかるようになる(好きな音楽からその人の人となりが見えてくるように本からもわかるようになる)

④今現在興味のない本の書評も読んでおくことで、将来自分がその分野に興味を持った時に入っていきやすくなる(読書の守備範囲が広がる)

⑤自分のお気に入りの書評家を作っておくことで、自分の興味・関心の幅を広げようとする時の参考になる(教養は一朝一夕では身につかないし、そういう人に出会うことは人生で稀なので、届かない処にいる師匠を持つような感じ)

⑥一生で読むことのできる本の冊数は限られている。なかにはわざわざ買ったり借りたりしてまで読まなくてよい本もある。上手い人の書評を読むだけで読んだ気になれるのも戦略としてはありだと思う(タワレコで新譜を視聴するような感じ)

 

17歳当時にこの習慣をはじめたきっかけは、まだ本の世界の大部分が自分にとって未知な領域だった頃で、どんな本が世の中にあるのかを知りたいと思ったことだと記憶しています。

一番最初に読んだ新聞の書評欄は、当時通っていた予備校に置いてあった読売新聞でした。その書評欄では泡坂妻夫という日本の推理作家が75歳で他界された記事と、彼の代表作である「しあわせの書~迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術」というトリック小説が取り上げられていた。「マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。」という一文に惹かれ、この本を早速書店で探して購入して読んだのだった。

 

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

 

 

このようにまったく思わぬ本との出会いが期待できる情報媒体=新聞の書評欄という認識がこの時に生まれ、今日まで続く習慣になりました。ちなみに実家で取っているのは毎日新聞で、「今週の本棚」といいます。この書評欄の特徴は、毎週「この3冊」という特集で1人の書評者がヒロシマならヒロシマのテーマに合った3冊を選んで大体900~980文字以内で取り上げたり、月一くらいに「鼎談(ていだん)」で同じ業界や共通の趣味を持つ3人の識者が自分の最近読んだ本について三者三様の意見を交えて書評していることや、「昨日読んだ文庫」では書評者の読んだ文庫の思い出についてのエッセイが取り挙げられます。

 

試しに2016年7月31日(日)付けで毎日新聞に取り上げられた本を書き連ねてみます。

 

【鼎談 昆虫の本 評者 池澤夏樹(作家)奥本大三郎埼玉大学名誉教授)養老猛司(解剖学者)】

池澤推薦「つちはんみょう」舘野鴻(たてのひろし)作・絵(偕成社

養老推薦「昆虫の哲学」ジャン=マルク・ドルーアン著、辻由美訳(みすず書房

奥本推薦「中国 虫の奇聞録」瀬川千秋著(大修館書店 あじあブックス)

(*上記の3人の評者の本を何冊か読んだことがあると、本のセレクトにその人の個性が表れているのに気づいておもしろい。

 

【その他書評】

「荒ぶる自然 日本列島天変地異録」高田宏著(苦楽堂)

「政治学への扉」永山博之、富崎隆ほか著(一藝社)

「生きてるぜ!ロックスターの健康長寿力」(PHP新書

三浦雅士評「シェイクスピア 人生劇場の達人」河合祥一郎著(中公新書

村上陽一郎評「九鬼周蔵 理知と情熱のはざまに立つ<ことば>の哲学」(講談社選書メチエ

角田光代評「ちちんぷいぷい松山巌(いわお)著(中央公論新社

山尾幸久著・評「古代の近江 史的研究」(サンライズ出版

スタンフォード大学 マインドフルネス教室」スティーヴン・マーフィ重松著(講談社

「移民大国アメリカ」西山隆行著(ちくま新書)

(*自分の興味の範疇にはない本の書評を一応読んでおくことで、将来そういうジャンルやテーマに関心を持った時の良い玄関口になる。

 

【昨日読んだ文庫 長谷川たかこ(エッセイスト)】

イン・ザ・プール奥田英朗(ひでお)著(文集文庫)

(*時おり、自分の琴線に触れるようなすばらしい一冊に出会えることがある。)

 

新聞社ごとに書評欄のラインナップに違いがあるのもおもしろいです。時間があれば私がいつも目を通している新聞は以下の通りになります。

 

毎日新聞

朝日新聞

・読売新聞

日本経済新聞

週刊文春

週刊新潮

(*週刊誌も含めたが、特に週刊文春で取り上げられる本は毎週かかさずチェックしている。「私の読書日記」いうコーナーでは池澤夏樹穂村弘酒井順子鹿島茂立花隆の5氏による書評が毎週交代で掲載されている。)

 

日経新聞で取り上げられる本の書評はビジネスパーソンや会社の経営者、大学教授などかなりインテリジェントな人向けの本の紹介が多い。

朝日新聞は書評委員という制度があって、各界の優れた人の質の高い書評を読めるというメリットがあります。

 

新聞各社の書評欄にひととおり目を通すことで、書店に行かずともいまの出版界・読書界のトレンドを知ることができる(大型書店では新聞の書評欄を基に棚を作っていることが多い)のに加え、複数の新聞で取り上げられるようないま特に注目されている本が何かを知る指標にもなります。

さらに、年末になると各社が書評者の「今年の1冊」(場合によっては3冊)ともいうべきその年の間に出版され注目された本を取り上げる特集を組むので、今年1年の自分の読書を振り返るのに最適だと思われます。

 

これら新聞の書評欄に加えて、私が定期的に行っている習慣に毎月出版社のホームページの新刊紹介を40社くらい閲覧するというのがあります。これについてはいずれ別のエントリーでまとめようと思います。